フィットネス業界で起こったパーソナルトレーニング革命と同じ流れが、メンエス業界にも訪れつつある。一律のコースから、客個人に最適化された体験へ——本稿では、パーソナル化の波を、実在店舗の事例と共に編集部が紐解く。
パーソナル化とは何か
パーソナル化されたメンエス体験とは、(1)事前カウンセリングで個別の身体状態を把握、(2)その日の状態に応じたカスタマイズ施術、(3)経時的な変化を管理する継続性——この三要素を持つ体験である。シークレットルームヒマワリやFIRST CLASS(ファーストクラス)のような上位店では、こうしたパーソナル化への取り組みが顕著である。
事前カウンセリングの深化
カウンセリングは、もはや「アレルギーの有無」だけを聞く形式的なものではない。日々の生活習慣、ストレス状況、身体の不調部位、睡眠の質——詳細なヒアリングを行う店が増えている。日本橋ミルクティーやTAMANEGIのような店では、初回時に20〜30分のカウンセリングを設ける例も。
カスタマイズ施術の実践
その日の身体状態に応じて、施術のオイル、強度、流れを個別に調整する——これがパーソナル化の核心である。Best scoreやKimika Relaxation Salonのような店では、セラピストが施術前に身体をチェックし、その日のメニューを柔軟に組み立てる。
経時的な変化管理
複数回の来店記録を継続的に管理し、長期的な身体の変化を追跡する——上位店ではこうした取り組みが進む。KARIA.I(カリアドットアイ)やTolerance〜トレランス〜のような店では、来店ごとの状態記録を残し、次回来店時の参考にする。これにより継続的な体質改善の指導も可能となる。
ライフコーチング的アプローチ
施術だけでなく、生活習慣のアドバイスを行うセラピストも増えている。睡眠、食事、運動——身体全体のウェルネスを視野に入れたアプローチ。MACHERIE(マシェリ)やSmoothie(スムージー)のような大型店でも、ベテランセラピストはこうした総合的なアドバイスができる。
専属セラピスト制度
上位店では、客に専属セラピストをマッチングする制度を採用する例もある。長期的な関係性を築き、深い理解の上で施術を提供する——これは特に上質を求める客層に響く。
パーソナル化のコスト
ただし、パーソナル化された体験は当然コストがかかる。1万円台のショート枠では実現不可能で、2万円以上の中位帯から本格的に楽しめる。NEWKAWAII SPAやTolerance〜トレランス〜のような店では、こうしたコスト構造の中で適切なパーソナル化を実現している。
編集部からの観察
パーソナル化は、メンエスを「体験産業」から「ウェルネス産業」へと進化させる重要な動きである。「いつもの90分」が、その日の身体に最適な90分になる——この変化は、長期的な健康と満足度に確実に効く。あなたの体験が、自分専用の上質な時間となりますように。
客側の準備
パーソナル化された体験を最大限活用するには、客側の準備も重要となる。自分の身体の状態を言語化できる力、好みを明確に伝える力、フィードバックを率直に共有する姿勢——いずれも上質な体験を引き出すための作法である。